[再掲]
世界金融危機です。世界大恐慌のはじまりです。
もちろん日本でもイギリスでも、エンターテイメント的なタブロイド/スポーツ紙などでは全く関係のないくだらない話題を載せるのは同じなんですが(苦笑)、それでも状況がかなり深刻であることは確かです。
このようなショックというのは、リーマン倒産が発覚したのが今週はじめだったとして、それが我々の実際の生活に響いてくるまでにはやや時間がかかるものであり、本格的に感じられるのは、もしかすると来年になってからかも知れません。
これはたとえば日照時間が一年で一番短くなる夏至よりも、実際に暑くなるピークを迎えるのが七月末から八月初めにかけてというのと同じです。
つまり今回のような事件があっても、それが実感されてくるまで「タイムラグ」があるわけですな。
もちろん私の友人の知り合いにはすでに証券会社で首切りにあった人もいると聞きましたが、金融が主要産業であるイギリスでも、まだ庶民の生活までインパクトは来ておりません。まあまだ本格発生してから一週間たってませんから。
よって、日本のメディアでも当分の間は「対岸の火事」的な報道がつづくかも知れませんが、本ブログを読んでいるような情報に敏感な方々はこのインパクトが確実に来ることを予測できていると思いますので、後から「しまった!!」などと言わないはずだと信じております。
さて、このような世界大恐慌の発生という緊急事態の中で問題になるのは、「一体われわれ個人はどうすればよいのか?」ということ。
当然といえば当然ですが、いろんなブログやメディアを見ても、まだこのような「生き残り対策」について親切に書かれたものは見当たりません。
だからと言って地政学や戦略学を研究している私がこの「世界危機を生き残る方法」のようなものをみなさんに教えられるわけではないのですが(苦笑)、それでも何らかのヒントになるようなことは、ちょっとだけお教えできるかも知れません。
よって、ここでは簡単に「危機を乗り越える最高の戦略は何か?」ということを、かなり無責任ながら、勝手につれづれと語ってみようと思います。
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まず最初にお断りしておきますが、これから話すことはちょっと冗談に聞こえるかも知れませんし、ややぶっ飛んだ「電波的」なところがあるかも知れません(笑
ただし論理的に考えればそれなりに納得していただけることだと思うので、「なんじゃこりゃ?」と思わずに、最後まで諦めずにお読みいただければと思います。
でははじめます。
まずこの史上最大級の世界金融恐慌を生き残る戦略を考える際に参考となるのが、
相撲の番付のランキングです。
「一体何を血迷ったことを?!」と感じるかたもいるかも知れませんが、とりあえず諦めてこの前提を受け入れたことにして考えてみてください。
そうなんです。生き残りの戦略の実践者には「序の口」から「横綱」のレベルまであるのです。
これは一体どういうことなのか?以下ではこれについて一つずつ説明してきます。
●序の口:世界金融恐慌が来ることを知らずに、いつの間にか巻き込まれて失敗する
これは何も知らない間に突き落とされていたという最悪のパターンで、戦略を論じる以前の問題です(苦笑)。割合としては日本国民で働いている人全体の1〜2割いるかも知れません。
●十両:世界金融恐慌が来ることを知ってて、それでも巻き込まれて失敗する
これは日本国民の中で働いている人全体の6割から7割くらいでしょうか。ほとんどの人がわかっていても影響を受けて苦しくなるわけですから、これが普通の状態ということになります。もちろんこのレベル人々はそれなりに戦略を立てるのかもしれませんが、それでも「環境」や「状況」に負けてしまいます。
●前頭:世界金融恐慌が来ることを知っていて、なんとか対処して切り抜ける
これはかなり少ないと思いますが、とりあえず心の準備はできていて、なんとか自分で対策を練り、実際の不況の嵐が来ても以前と同じレベルの生活をギリギリなんとかキープできるという人々です。割合としては一割弱と言ったところでしょうか。戦略的にものごとに対処して、「環境」や「状況」になんとか順応していけるレベルですね。
●小結:世界金融恐慌が来ることを知っていて、それをチャンスに変えて成功する
このような人々はほとんどいないのですが、ごく稀にピンチをチャンスに変えて大躍進してしまう人もいるわけです。恐慌のおかげで逆に儲かってしまう人ですな。自前に戦略をしっかり練って、しかもそれを成功させてしまう手腕の持ち主のことです。基本的に普段から情報にかなり敏感な人がここに入るでしょう。クラウゼヴィッツ的に言えば「天才」というのがここの部類に入ります。割合としては4%もいれば良い方かも知れません。
●大関:自分から恐慌を仕掛けて大儲けする
ちょっと陰謀論的かも知れませんが(苦笑)、それでもこのようなインサイダー取引的なことをして大儲けする人は残念ながらこの世の中に少なからず存在するのです。状況にどう対応するかというよりも、むしろ自分たちで状況を作って仕掛けるような人々のことですね。割合としては1%以下でしょう。
さて、ここまでこのようなランキングを書きましたが、実はこれより上のレベルがあるのです。信じられないかも知れませんが、言われてみればなるほどと納得していただけると思います。
それはなんと、
●横綱:世界金融恐慌が来たことも知らずに、しかもいつの間にか大成功している
というものです。割合として0.1%くらいでしょうか。
「なんじゃそりゃ」と言ってあきれている人もいるかも知れませんし、「バカやろう!こんな下らないブログなんか読んでられっか!」という人もいるかも知れませんが、まずは落ち着いてください。
実はここから先が大事なのです。
前頭から大関レベルまでというのは、そこに「意図的な戦略」というものが関わってきます。
つまり、これらのレベルの人々というのは、「こうなるからこうしよう」という意思の力を働かせ、いわば「理性的」かつ「合理的」(ラショナル)に物事に対処するわけです。
もちろんこれらが成功するかどうかというのは、大関レベルのように本当にインサイダーとして仕掛けている場合を除いて、確実とはいえません。
また、その「合理性」というものが常に正しいという保証もないことは、「テロとの戦争」で泥沼にはまるアメリカの過去数年間の国家戦略の流れを見てみれば一目瞭然でしょう。
いや、よく考えてみれば、
大関レベルでもガセネタをつかまされたり土壇場で裏切られたりして踏み外すということもありえます。
ところが横綱レベルになってくると、こういう現象を越えてしまいます。つまり彼らは何をやっても成功してしまうわけなのです。これを言い換えれば、
「彼らは状況や環境に全く左右されない」
ということになります。
ではこの違いはどこから出てくるのでしょうか?そんなことはあり得るのか?
と、ここまで書いて時間切れです。この続きはまた明日。